7つの質問
島村ナナさんに聞いた7つの質問
島村ナナさんに聞いた7つの質問
Q1. お生まれとお育ちはどちらですか?
A. 熊本県熊本市出身です。
Q2. アートに目覚めたのはいつ頃ですか?
A. 幼稚園児だった頃です。
おままごとに使うお皿を自分で作りたいと思い、当時乗り回していたおもちゃの車(プラスチック製で座席の下が入れ物になっている)の中に、柔らかい石
(今思えば煉瓦の破片など)を集めて来てはコンクリートの階段でこすって少しずつ粉を貯め、ある程度たまったら水で練り器の形にしていました。
でも 粉が少量しかとれず、器はすごく小さなものしかできず、焼いていないのですぐに崩れました。
その時に、お皿ってどうして壊れないのだろう?というのが一番最初のきっかけでした。
∴子供の頃のお遊びでもう器を作っていらしたなんて ビックリですね!
やっぱり陶芸の道に進むために生まれてきたとしか思えないルーツ
「お皿ってどうして崩れないの?」
と疑問に思うところが原点。
ナナさんは小さい時から探求心の塊だったんですね!
素晴らしいです✨✨
Q3. もし作家さんになっていなかったら今頃何をしていたでしょうか?
A. 高校生の頃は絵画で進学しようと思っていたので美術関係の方か、もしくは歴史が好きなので、考古学の方に進みたいとも思っておりました。
中学生の頃近所でよく遺跡の発掘調査が行われていて興味を持ち、時々参加させていただいていたのですが
見つけた破片に作った人の指紋が残っているのを見た時に、これを作った人はもういないのに、作った手あとが残っている
なんとも言えない不思議な感覚に感激と感動で鳥肌が立ちました。
その頃から歴史に携わる仕事をしたいと思うようになりましたが、今では私が「つくる人」になっております。
∴考古学や歴史にもご興味があったのですね。
コメント拝見していたら、ナナさんらしいなぁ と思いました。
いつも作品を納品してくださるとき、美しい便箋に作品1つ1つの説明文を丁寧に添えてくださるのですが、作品への愛情は然ることながら
自然界すべての愛を感じる文面が綴られていてそれにひどく感動しています。
作家さんのお仕事ってほんとに素敵ですね!
自分がいなくなってもどこかで作品が生きてる、そんなお仕事されているのですから。
Q4. これまでで一番印象に残った 出来事は何ですか?
A. まだ学生の頃、大変感動したことがあるのですが、焼き物の学校に通い、初めてろくろでひいた作品を初めて窯だしした日のことです。
今は私は磁器を作っておりますが、学校ではろくろの授業でまずは土物(陶器)から習い始めました。
初めてろくろで作った作品を窯だしする日。
どんな風に焼き上がるのかなと冷ますために蓋を開けた窯の周りをワクワクしながらウロウロしていた時に
聞いたことのない小さな美しい音に気づきました。
先生に尋ねるとそれは製品に陥入が入っている音だよと教えてくださいました。
「ピンピン」「チンチン」というような小さな音ですが一斉に聞こえてきて本当に美しくて初めて窯出ししする感激もあり
今でも忘れられない事のひとつになっております
∴ナナさんの焼き物人生が始まった日の想い出を温かいお言葉で教えていただきました。
焼成時に器が奏でる音聴いてみたいです。
Q5. 今回の展示会で一番思い入れのある作品はどちらになりますか?
A. すべてそれぞれに製作したときの気持ち思いが等しくあるので迷ってしまいますが、小さな作品になればなるほど難しいため無事に完成したときには
とても嬉しくなります。
例えば 雪の結晶箸置きやミニ土鍋形蓋物、梅紋様細長豆皿です。
雪の結晶紋様箸置きは繊細な形の上、焼き上がるまでは脆いので窯に入るまでに割れてしまったり、ほんの少しの振動で角がとれてしまったりと
気が抜けない作品です。
しかも 少しずつ形を削り出す際など力加減が難しく繊細な作業が続きます。
その後仕上げなどを経て無事に窯づめして無事に窯出しできた時には、本当に嬉しくなります。
小さな物=簡単と思っておりましたが、実は小さな物ほど力加減が難しかったり細かい作業で大変だったりと、決して簡単ではないのだということがよくわかりました。
絵付けやろくろでの成形も同じで小さな物ほど筆のタッチの加減が難しく、慣れない時には緊張して手が震えたりしておりました。
ミニ土鍋形蓋物の小鳥たちを描く際には目を描く事が難しかったです。
小さいけれど自分が思っている表情になるよう思う位置に目を入れなければいけないのですが、小さいとやはり緊張して手が震えてしまいます。
でも 思い通りの表情がきまった時には、本当に嬉しくなります。
∴〜大きいものより小さな物の方が難しい〜
素人からすると大きな物のほうが難しそうだというイメージがあるのですが、陶芸の世界は違うのかもしれませんね。
それなのにナナさんはミニサイズの器に沢山チャレンジされていらっしゃいます。
驚愕したことがあるのですが、今回出品して下さった中で私の最もお気に入りの作品が雪の結晶箸置きとミニ土鍋型蓋物だったので、これまたビンゴ!って思ってしまいました^^
小さな器にはナナさんの大きくて熱い想いが詰まっていて沢山は作れないからこそ価値があるので、今回ご縁がありました方にはいつまでも可愛がっていただけたら嬉しいです。
Q6. お休みの日は何をして過ごしていらっしゃいますか?
A. なかなか決まった日に休みを取ることができないのですが、大きなイベントや展示会が終わった後に少し休みます。
展示会前はなかなか家の事ができなくなるので、休みの日にはまずは家の事をします。
それが終わったらこれから作りたいと思っている物について技法を調べたり、モチーフのスケッチをしたり、図書館に調べ物をしに行ったりします。
また、私は自然が大好きなのですが、有田町はまだまだ沢山の自然が残っており散策してまわるのにとてもよいところです。
景色を見ながら季節の山野草を見つけたり、野鳥の声を聞いたりしてリラックスします。
始めてみる植物や鳥を見つけたら家に帰って図鑑で調べるのも楽しみです。
そして、自分が描きたい作りたいと思っている作品のためのスケッチの時間にしたりもします。
自然の中で出来る一瞬の風景に出会ったときは本当に感動します。
∴作り手さんたちあるあるでなかなか決まったルーティンでお休みが取れないと聞いておりますが、ナナさんも例外ではなかったのですね。
ゴールデンウィークは有田陶器市がありますし、それ以外にも細かい企画展があるとほんとに休みなく制作に追われる日々だと推察しています。
それでもお休みの日は家事以外の「自分の好きなこと」をされていらっしゃるのですね。
自然の中で多くのインスピレーションを吸収してそれを制作に反映させていらっしゃるのでしょうね。
これからの新作も楽しみでなりません。
Q7. 自身の作品作りで最も大切にしているコト、信念があれば教えてください。
A. 作品を使ってくださる人の事を考えながら楽しい気持ちを込め丁寧に作ること・新しい事にもチャレンジすること・心身をととのえることです。
私の作品を使って下さる方が楽しい気持ちで末長く使って下さったらいいなぁ…、その為には自分も楽しい気持ちを込めながら丁寧に作ろうと思います。
でも人間なのでいつも楽しく元気でいることが難しい時もあります。
そのような時に作った作品は、なぜだか窯に入る前に割れたりひびが入ったりして壊れてしまう事が多いです。
そんな時作品は正直だなと思います。
そのような事にならないよう、心身を整える為に健康に気を付けるようにしています。
また 私は一つの技法に集中すると新しい事へのチャレンジが遠のきがちになってしまいます。
新しい技法を取り入れるためには時間がかかり時には数年かかることもあるため、ついついチャレンジを後回しにしてしまうのですが、同じ技法だけでなく自分が作りたいと思う物に合う技法を新しく取り入れるため「チャレンジする心」を忘れないよう心がけております。
∴ナナさんの誠実なお人柄が伝わるコメントでしたね!
そういえば昨日いただいたメールでドキっとすることをおっしゃっていました。
昨日お友達のスマホでWEB展の様子を見てくださったのですが
「遥香さんの鳳凰のプレートを見てびっくりしました。実は一昨日、七色に光る雉のような鳥が沢山集団で飛んでる夢を見ました。遥香さんの鳳凰だったのかなと嬉しくなりました(*^^*)」
ナナさんは予知夢が見られる方なのでしょう。
七色に光る雉はまさしく遥香さんの鳳凰に違いないです。
思いがけずそんなミラクルなお話も聞けて私も最高に嬉しかったです。
以上、島村さんご回答ありがとうございました。